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農協改革から始めよう!


農業は雇用の受け皿にならないかと質問されることが多い。農業を嫌い、地域を捨てて、仕事の安定を求めて都会へ移住した官僚などから、その類の質問をされると虫酸が走る思いがする。私の同級生のほとんどは、北海道を離れて大学へ進学したあとは、関東で就職を果たすか公務員として都会に定住をしている。私は運が悪かったのか(今では良かったと思う)、目指す大学の受験に失敗して、いくつもの転職を繰り返し、行き着いた場所は農業をサポートする仕事。

その農業が人手不足と経営難により、かなり深刻な局面を迎えている。子供が家業を継がないのだ、いや、親が家業を継がせないといった方が正しいのかもしれない。農業は農家自らが利益をコントロールできない仕組みとなっていて、自らの意思で経営改善を行うことができない仕組みとなっている。なぜか、その答えは簡単だ、農家は経営者ではないからであって、農協に雇われている単なる作業員に過ぎないのだ。

農協は農業生産に必要な種子、肥料、その他生産資材の購入価格と手数料を独断で取り決め、また成果物である農産物の引取り価格と販売手数料も決めることで、自らの農協経営の健全化を図っている。農家の手取収入は、年末に(農産物価格-年間経費)で精算されるが、農家の口を挟む余地などないのが現状だ。仕入コストをコントロールできないどころか、自分の生産した商品である農産物の価格を決定する権限すらないのだから、人生設計すら思い描くことができないのだ。こんな農業が雇用の受け皿になりうるわけがない。

農業を核とした新たな産業を創生し雇用を創出したいのなら、まずは農協改革を政府の英断で強行して、農業生産法人に対して農協並みの役割と権限を与えることで競争を促すことではないだろうか。農協と農業生産法人の間に競争が生まれることで、農家に仕入先や販売先を選択する権利が与えられることになる。その結果、農家に価格決定権がもたらされれば、農家自身で利益をコントロールすることができるようになり、家業を継いで本当の意味で次世代を担う農業経営者が地域に一人二人と誕生するようになるだろうと考える。農業が人手不足だから雇用の受け皿にという短絡的な考え方を改め、農家に利益をもたらす仕組みづくりを行い、その利益のもとで雇用を創出するような取り組みを進めて欲しいと思う。

投稿者について

大沼 康介

大沼 康介

url: http://asa.hokkaido.jphttp://ksk.hokkaido.jp
北海道札幌市生まれ(1969年)石狩市在住。農業をサポートする仕事に携わって10年、知れば知るほど農業界の奥深さを実感。 多くの起業家が生まれる土壌を北海道に作りたい。 北海道の開拓魂が日本を変える力になると信じて、起業と新産業の創出を後押ししていきたい。 新規事業のサーバーとしての役割を発揮できるよう、自分自身も起業家精神を忘れることなく邁進していきます!

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