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規格品と規格外品って?


そもそも家庭菜園で作った野菜に規格など存在しない。自分で手間をかけて作った野菜だから、どんなに形が歪だろうが色が悪かろうが、誰もが美味しい美味しいと食べるだろう。しかし、スーパーで買う野菜となると、途端に見る目が厳しくなり贅沢なことを言い出す。そのため、スーパーの棚に並ばない規格外野菜は粗末に扱われ、産業廃棄物として廃棄されたり、畑に鋤こまれたり、あるいは肥料用や飼料用に安く売られていく。野菜の規格はその大きさから、消費者にでも区別ができるかもしれないが、お米の規格となると一般素人にはその区別が難しいだろう。

玄米は1等級・2等級・3等級・規格外と大きく区分され、規格外は中米と言われている。一度選別落ちしたクズ米を再選別して仕立て直したお米が中米だ。中米10粒では1等米の9粒分未満しか粒幅がなく丸みも少なくスマートだが、厳選すれば十分美味しい中米もある。ただし、品質のムラは激しく不安定であり、流通価格も白米10Kg当たりに換算すると1等米を基準に2等米で150円、中米では1,000円位の原価安となる。スーパーの特売でよく売られているお米は、この中米を原料としていることが多く、消費者は規格外とは意識せずに当たり前に食べている。

このように農産物は規格品と規格外品に区別され、その用途に応じて値段が決められ流通されているが、規格品と規格外品の市場価格には大きな差がある。同じ手間をかけて作られたものが、その形状や大きさによって行き先や用途が決められる様は、人間社会の進路と重なるものを感じてしまう。どこの国のどんな家柄で生まれ育ったかで、人生が決められるかのような理不尽な思いに駆られてしまうのだ。

規格で価値が決められる市場流通から、作り手の手間や努力に対して価値が決められるような新たな流通の仕組みが待ち遠しい。消費者自らが家庭菜園で作った野菜を手にするような気持ちで、スーパーに並ぶ野菜を規格品と規格外品の区別なく買い求め、本当の意味で生産者と消費者が支え合う地域社会が、これからの私たちが目指すべき理想の姿かもしれない。

投稿者について

大沼 康介

大沼 康介

url: http://asa.hokkaido.jphttp://ksk.hokkaido.jp
北海道札幌市生まれ(1969年)石狩市在住。農業をサポートする仕事に携わって10年、知れば知るほど農業界の奥深さを実感。 多くの起業家が生まれる土壌を北海道に作りたい。 北海道の開拓魂が日本を変える力になると信じて、起業と新産業の創出を後押ししていきたい。 新規事業のサーバーとしての役割を発揮できるよう、自分自身も起業家精神を忘れることなく邁進していきます!

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