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なぜ、日本の農業を応援しようと思ったのか? パート3


こんにちは。経営コンサルタントの境です。

このシリーズ最終回をお送り致します。

パート1

パート2

 

前回は、守られていない農家を支えたい!という、3年ほど前の決意を書きました。

 

でも、昨年、この考えが大きく揺さぶられる事件がありました。

 

国策で守られているから大丈夫だろう、と思い込んでいた業界の実態を知ってしまったのです。

 

どんなに補助金を注入しても悪化し続ける業界、それは酪農

 

そして、私が15歳まで過ごした街こそが日本一の酪農地域でした。

 

 

例えば想像してみてください。

 

10年後に、1リットルの牛乳が500円になるとしたらどうでしょうか?

 

タバコの値上げなら辞めればいいのですが、牛乳がこの価格になったら、あなたは牛乳を辞めますか?

 

加工品ならば、まだ、輸入品に頼る道もあります。

事実、ある酪農家さんからご馳走になったフランスのブルーチーズは信じられないくらい美味しかったので、私としては輸入品でも構いません。

でも、国産の美味しい牛乳が500円、どう考えても不味いLL牛乳として海外からの輸入品が200円、どっちを選ぶ?なんて究極の選択をしなければならないとしたら、私たちはどうすればいいでしょうか?

きっと、2極化するんでしょうね。中国人のように、富裕層は高額なもの、一般庶民は安い牛乳を飲むしかない状態。といっても、中国の場合は輸入品が高級で国産品は安物という図式になりますけど。

この空想は、酪農家の方々と語ることで見えてきた仮説に基づきます。

仮説① 1996年(平成8年)をピークとして減少し続けている国内牛乳生産量が今後も減少する。

仮説② 1963年(昭和38年)をピークとする酪農家戸数の減少ペースが加速する。

仮説③ 酪農経営規模の拡大に伴う課題の解決が進まない。

これら3点は密接に絡み合っています。

というよりも、②と③の結果、①の牛乳生産量が劇的に減ると見る方が正しいでしょう。

 

それ以前に私が想像していたのは、酪農業の大規模化が順調に進んでいる、ということでした。

そうではない、という事実に直面したのが昨年のことです。

この先、大規模化は順調に進まない、と気付いたのです。

 

とするなら、これまで50年以上かけてが取り組んできた対策に黄信号が灯っていることになります。

 

ここでひとつの疑問が湧いてきます。

少子高齢化が進むと、飲用牛乳の生産を増やす必要がなくなるのでは?という視点です。

これは正しい見方だと思います。

 

sakaiグラフ

このグラフの通り、日本国内の生乳生産量の減少は、そのまま飲用向け牛乳の減少と同じペースで進んでいます。この背景には、少子化に伴う学校給食の減少もあるでしょう。といっても、年間の学校給食用牛乳は366千トン(平成26年度)に過ぎませんが。

 

とはいえ、酪農の現場では、少子化を見据えて生産量を減らしているわけではないのです。一生懸命、生産を増やそうと頑張っています。でも減り続けているのです。

 

ほんの一握りの経営者は、大規模化にも耐えられるだけの経営感覚をお持ちだと感じています。でも、ほんの一握りです。

日本の人口構成と同様、酪農経営者も団塊の世代が最も多いのですが、後継者は非常に少ない。今後5~10年で酪農家戸数が半減しても可笑しくありません。

大規模化が難しいとすると、生産量が3割減少しても不思議じゃないのです。

3割というと、平成25年より2250千トン減少します。そうすると生産量は5250千トン。少子化を考慮すると当然飲用向けも減少するでしょうが、美味しい牛乳の争奪戦は避けられないと思うのは、単なる空想でしょうか?

 

そして、この問題に正面から向き合っている酪農経営者達と出会ったのが昨年のことでした。

国から守られていない農家を支えたい!という3年前の決意よりも、明日の日本の食卓を守るため、正面から課題に向き合っている経営者達と一緒になって取り組みたい、という想いが圧勝してしまいました。

 

今は、そんな想いで活動しています!

 

シリーズ完

投稿者について

境 毅

境 毅

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糞尿で世界を救う事を夢見る、愛妻家でゲーマーなコンサルおじさん。

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