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雪の再利用で商機を得る!


今年も全道各地の大雪に関するニュースが連日のように報道された。とくに道東の雪害は前代未聞でその経済的な損失は甚大だ。そのうち、経済的な損失は集計されるだろうが、精神的な損失はいかほどのものだろうと気になるところだ。札幌市が公表している平成26年度の除雪費用は180億円を超え、前の年に比べると約30億円増となっている。それほどまでに今年の雪の量が多かったことを物語っている。

最近では、この雪を逆手に取って、自然エネルギーとして活用しようという動きがにわかに高まっている。いわゆる雪室貯蔵がそのひとつだ。例えば、じゃがいもを通年供給しようという森浦農場の取り組みは、貯蔵により販売機会をコントロールして収益を上げるビジネスモデルとして注目される。雪室貯蔵は長期保存のメリットに加えて、農産物の糖度が上がり、アミノ酸が生成されるという付加価値をもたらす。また、雪が自然に融け出した水分で、雪室の中は適度な温度と湿度が保たれ、保存した農産物がそのままの状態で鮮度が保たれるというメリットもある。

野菜だけではなく、お米も雪室で貯蔵することで夏でも新米が味わえるという事例がある。沼田町では雪中米として地域ブランド化に取り組んでいる。一般的にお米は長期保存すると古米として市場では商品価値が下がるが、まさに沼田町はこれを逆手に取って付加価値を上げることに挑戦している取り組みだ。雪室貯蔵で10年前のお米も美味しく食べられるなら、今後訪れるかもしれない食料難の備えとして注目される。

そもそも日本古来には氷室による食料を長期保存する文化が根付いていて、雪室貯蔵は決して真新しい技術ではないが、忘れかけていた保存方法をもう一度見直そうというものだ。北海道の気候と風土を活かして、生産技術だけではなく保存技術で農業の付加価値を創造する取り組みも注目していきたい。

投稿者について

大沼 康介

大沼 康介

url: http://asa.hokkaido.jphttp://ksk.hokkaido.jp
北海道札幌市生まれ(1969年)石狩市在住。農業をサポートする仕事に携わって10年、知れば知るほど農業界の奥深さを実感。 多くの起業家が生まれる土壌を北海道に作りたい。 北海道の開拓魂が日本を変える力になると信じて、起業と新産業の創出を後押ししていきたい。 新規事業のサーバーとしての役割を発揮できるよう、自分自身も起業家精神を忘れることなく邁進していきます!

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