sakai05
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なぜ、日本の農業を応援しようと思ったのか?


こんにちは。経営コンサルタントの境です。

私、6年前に脱サラ(もう死語かな?)して独立開業したのですが、当時、密かに決めていたことがありました。

それは、「食関連」と「農業」のコンサルタントはしない(というよりも出来ないという感覚の方が正しいかも)、ということ。

まず食関連ですが、私は大抵のものを美味しく食べることができると自覚しているので、そんな私には、美食家が知っている感動など知る由もない、と思っていたのです。そのため、例えば新商品を開発するとして、舌の肥えた日本の消費者にインパクトを与えるような提案や助言なんて無理!という気持ちが強かったのです。

一方の農業ですが、ちょっとした偏見というか、私のDNAに刻み込まれた遺伝情報が邪魔していた、というか、、、

この機会なので、ちょっと書いてみますね。

私の祖父母は北海道で畑作農業を営んでいました。ある切欠から「自然農法」に魅せられ、それ以降はひたすら自然農法にこだわったそうです。この農法は、今でいう有機農法に近いのですが、第二次大戦直後から昭和30年代というのは、化学肥料や農薬を使って農産物を量産する時代に突入していましたし、大手流通事業の台頭で農産物の大きさを一定水準に揃えなければ受付られない大量物流の時代にも入っていたので、まさに「時代と逆行」していたわけです。なので、農協が買い取ってくれる農産物は半分程度だったとか。

農産物は生き物ですので、サイズがまちまちになるのは当然ですが、どれくらいバラバラなサイズ・形なのか、今の消費者には理解できないかもしれませんね。

例えば、ニンジンならこんな形です。

pic02 pic01

家庭菜園をしている人なら見たことがあるかもしれませんね。

私の実家は農家ではありませんが、庭の畑で自然農法していたので、日常的にこんな野菜を食べていました。

でも、スーパーには、こんな野菜、並んでないですよね。つまり「規格外品」として農協が買い取ることもなく、自分たちで食べるしかないわけです。売上が少ないので、自給自足に近い生活をしていたそうですが、問題は「北海道」という土地柄です。1年のうち3分の1が栽培できない期間ですので、「よく生きていたな」と感心してしまいます。

そんなDNAが刷り込まれているからなのか、農業に対する微妙な感情をもっていました。

 

そうした感情を抱きつつ独立開業したコンサルの仕事ですが、第一号の仕事として紹介されたのが「農商工連携認定事業者」のサポートだったのです。

断ったの?ですって?

いえいえ、何事も経験ですし、実績も挙げなければ何も始まらないので受けましたよ。当然のように。

それ以降、100社以上の企業経営をお手伝いさせていただきましたが、食関連と農業の比率は高いんですね。そりゃそうです。何故なら、北海道で最も課題を抱え、さらにそれを打破する可能性を秘めているのはこの分野ですから。

そして、知れば知るほど、根深いネックを抱えている現状を知るわけです。

でも、強い企業は本当に強い。特に農業者には素晴らしい経営をされている方が少なくありません。これは他の分野も同様ですが、特に北海道の農業は極端な二極化が進んでいます。一方の食関連産業(加工分野や飲食店等)は、正直、とても弱いですね。

これを見ると実感できます。

pic03 左のグラフは農水産物の生産額、右の表は加工会社の生産額。

加工が弱いことが一目瞭然ですね。

農業から見ると、こんな数字もあります。

全国比でみる北海道の耕地のシェア 25.4%
北海道農業の食糧自給率への寄与度 22.1%
北海道の農業産出額 12.5%

耕地面積と食糧自給率(カロリーベース)の寄与に大きな違いはありませんが、農業産出額(加工品も含めた卸売額)の全国比は12.5%に激減してしまうのです。加工会社の生産額(これも卸売額と考えて差し支えありません)と一緒に見ると、よ~く分かりますね。ここが最大の課題です。そのため、農商工連携や6次産業化、あるいは新商品開発の補助金が毎年たくさん公募されています。少なくとも最近10年間は多数の補助事業が行われてきました。その結果は?

行政が補助事業を行うには、成功のモデルケースを作りたい想いと、別の狙い(今回はコメントしませんが)があります。

残念なのは、多額の補助金を投入しているのに、それらを総括するとか検証をして、失敗事例も含めた有益な情報として広く公表する考えが無いことです。

地域の重大な課題に対応するため、人、モノ、金、情報を惜しむことなく投入し続けているというのに、大半が成功のモデルケースになりません。その要因は、上手くいかない事例を検証して「次につなげる」ことができずにいる事が最大の要因だと思います。

行政が地域や企業に対して「PDCAサイクルを回せ!」と叫んでいるのに、自分が旗を振っている補助事業でPDCAサイクルを回さないんじゃ話になりません。全部が全部とは言いませんが。

 

おっと、熱くなってしまいました。

 

最初は避けている面もあった分野ですが、今ではこれだけ熱くなっています。

熱くなる理由は他にもありますが、それはまた次回ということで。

投稿者について

境 毅

境 毅

url: https://www.facebook.com/takeshi.sakai.5661
糞尿で世界を救う事を夢見る、愛妻家でゲーマーなコンサルおじさん。

“なぜ、日本の農業を応援しようと思ったのか?” への4件のフィードバック

  1. 初めまして、ぜひ北海度農業の為に頑張ってください。
    私は、冷凍食品メーカーの営業支援(販売先紹介等)をしていますが北海道産は本州で販売時にメリットがありますが、素材のままの販売がかなり多く、加工して付加価値を付けるべきと思います。
    規格外も販売の仕方だと思っています。
    ぜひ、北海道の為に頑張ってください。

    1. 勇気づけられるお言葉をいただき、誠にありがとうございます!
      こういう場にコメントを残してもらえることって、本当に嬉しいものですね。
      特に、規格外品を販売することで(結果として)高収益を生み出す、という視点は勉強になりました。ありがとうございます!
      原料供給から段階的に付加価値を高めていくプロジェクトが現在進行中です。そういった取組みも、この場で紹介できるよう頑張ってまいります。

  2. 初めまして。
    3月に北海道本社で一次産業分野に対して特化した人材サービス会社が立ち上がり、そこに在籍しております。
    各団体から人に対しての話はよく出ており、法人でも同様です。私自身が北海道出身なのでどうにか方法を考えたいと思ってます。
    生産~販売までサポートする会社になるので是非どんな形でも情報交換させて頂けたら幸いです。

    1. コメントをいただきましてありがとうございます!
      ご指摘いただきました通り、様々な業種で人材確保が重要課題になっていますね。
      そのような環境下、農業者にとって貴社の取り組みはとても心強いと思います。
      こちらこそ、ご縁をいただけると幸いです。
      よろしくお願い致します!

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