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札幌孤島論Ⅱ外国産が闊歩する食の世界


前稿に続いて「札幌孤島論」第2弾を展開したい。今回論じたいのは、大消費地・札幌の摩訶不思議な「食の世界」。

札幌市を称して古くから〝リトルトーキョー〟とか〝支店経済のマチ〟とかいわれている。札幌の顔たる駅前通りや大通りのメイン・ストリートは、土地建物は本州資本に所有され、ここに東京の銀行、証券、保険会社の出先がワガモノ顔で占有する。このほか全国網で営業するあらゆる業種の企業が進出している。デパートやホテルにいたっては、地元資本の店舗は全部消えた。老舗も潰れた。札幌っ子は浮気性? 〝アタラシモノ〟好きには正直マイってしまう。もちろん、商売下手な地元店側の問題も大いにあるだろうが…。

今回のテーマは〝札幌の食〟だが、外食の世界も同様で、大手外食チェンのほとんどが進出しているはずだ。食材の宝庫・北海道であっても、彼らはマニュアルどおりのメニューしか出さないから、全国画一の食材しか使わない。それでも札幌の客を呼べるからたいしたものだ。裏を返せば、われらが札幌っ子も、殊更、道産食材にこだわらないということだ。

〝郷に入れば郷に従え〟のはずだが、牛丼が好例で、牛肉はすべてアメリカ産だ。牛肉の産地でありながら、一生懸命アメリカ産牛肉の消費に貢献しているといった構図である。ランチタイムには順番待ちの列ができるほど。産地にして、産地と無縁の食材を提供する、まさに寒々とした光景だ。

本州からやって来た外食店ばかりでなく、地元店でも同じだ。札幌ラーメンは全国的に有名ではあるが、地元産小麦粉を意識して使うところはごくごく一部だ。長ネギやにんにくに至っては安価で手にはいる中国産が横行する。札幌市中央卸売市場では、中国産野菜をはじめ外国産が大量に競りに掛けられるが、行き先はほとんどが外食産業へと流れる。地産地消の意識を持った消費者でも意思に反して、中国産を食べてしまう現実。「それでいいのか」と問いたくなるのだ。

観光客が泊まっているホテルのレストランもまたしかり。北海道産サケのつもりが、実は輸入サーモンであったりで、食の酷過ぎる現実がある。野菜は添え物だから、中国産は最も紛れ込みやすい。ある有名ホテルに勤める知人にこっそり厨房を覗いてもらったら、「中国産の大根があった」と声をひそめた。大根が旬の時期でもこうなのだ。これが観光立国・北海道の〝おもてなし〟か。観光客は「北海道産のモノを食べたい」がホンネのはずだ。

ついでにもう一つ。札幌大通公園の納涼ビアガーデンは夏の風物詩、筆者もよく行く。しかし、出されるつまみ料理のいい加減さに呆れてしまう。北海道産が極めて希少な品揃えとなっているのだ。それはそうだ。ビール会社(ビール園)の運営だもの、自社ビールさえ売れればそれでよしとなる。テーブルを囲む道外客のグループから「北海道のモノはなにを食べても旨い」の声を聞いて、筆者はとても後ろめたい気持ちになってしまう。これが、札幌流の〝もてなし〟であろうか?

北海道は食材の宝庫ですよ。札幌は大消費地ですよ。何故、北海道産を使わないのかなあ。北海道という一つの共同体の中にあって、札幌という巨大化け物が単独航行している食の世界。これで良い訳がないと思うが、どうか。いっそのこと、「北海道産野菜使用宣言の店」運動を〝同志〟の皆さんといっしょに巻き起こしますか!

投稿者について

山田 勝芳

山田 勝芳

url: http://ihatov.bizhttp://monthlyism.web.fc2.com
留萌市生まれ(1952年)の札幌育ち。地元出版業界にどっかり根を下ろすこと40年。外に対しては「本州資本に対抗する視点、脱・植民地の視点」、内に対しては「真に豊かな北海道共同体づくり」という理念の下、実体験に基づく北海道論を展開。現在、月刊ISMとイーハトーヴを主宰。

“札幌孤島論Ⅱ外国産が闊歩する食の世界” への1件のフィードバック

  1. 「イーハトーブ」が入手できない。やむなくホームページを閲覧しました。(東光豊平店の京田パンに置いていない。店員に尋ねたところ,貴誌の存在すらも曖昧なご返事)
    閲覧最初に,山田氏の「札幌孤立論Ⅱ・・・」を拝読しました。お話の主張,大賛成です。「北海道産野菜使用宣言の店」運動も参加したい。先日も,貴誌に,「余市のリンゴ」が食べたい。なぜ「青森」ばかりなの!と投稿しました。
     発展途上?の都市,小樽・旭川・苫小牧などが停滞しているのは,商売下手な(経営下手な)商店主や農業者・漁業者に課題があることも事実ですね。小心・依存・努力不足です。夕張メロンや池田ワインなど頑張ってますね。
     既成の「農協」「ほくれん」には期待できません。
     イーハトーブ・山田氏らのご活躍に期待します。
                    札幌っ子の年金老人より

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