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札幌孤島論179自治体のリーダーに非ず


今年は統一地方選挙の年。あまり大きな声では云えないが、筆者は道議選で30年間投票したことがない。知り合いに頼まれれば、「わかった」と笑って生返事だけはするようにしているものの、やはり投票したことはない。これは自分の信念に基づく、確固たる行動である。

札幌市は政令市、所詮道政はあまり関与できない。関与できない札幌市区で、大勢の道会議員を出してどんな存在意義があるのか。しかも人口集中の〝成果〟で、議員数だけは大勢確保できる。101議席中28議席で、占有率約28%だ。つまり札幌市民の代弁者が28人もいるということだ。道内〝179分の1〟の自治体でしかないのに、である。

しかし、彼らに日常働いてもらう場所がない。不要の長物とはまさにこのことだ。札幌市選出の道議の事務所には、選挙区の支持者からどんな相談・陳情が持ち込まれるのか、興味がわく。地方議員とはその中身がかなり違ってくるはずだ。

「もう札幌に道議はいらない」、この考え方はずっと昔から囁かれていたが俎上に上がることはなかった。全国的には大阪維新の会が初めての問題提起だ。政令市をかかえる他県もきっと同じ悩みのはず。

筆者が知事なら、札幌市全10区の議席をバッサリ廃止する。法律で阻害されるのなら、道州制の「特区申請」でもやってみればいい(特区申請でもできないかもしれないが、まずやってみる姿勢が肝心だ!)。有権者や議員、政党の顔色なんぞ気にしていたら何にも変革はできない。

歴代知事はなぜやらなかったのか。特に財政削減に狂奔していた高橋知事よ、なぜやらないのか? 議員歳費と政務調査費で年間4億円強の財政縮減になる。知事在職12年間で約48億円だ。せめて「札幌選挙区の議員廃止」という問題提起は財政縮減にもなるし、やっておいてもよかった。やっていれば、道政史に〝高橋はるみ〟の足跡を残せたのに。やったのは財政削減を理由に、支庁再編で地方の力を削ぎ落としたことだ。

筆者は歴代知事が「札幌市選出道議ゼロ」にできない理由を、独断で推察してみた。ズバリ、4年に1度の知事選(道議選も同日)があるからだ。道議会の与党議員に大票田の札幌で集票活動をしてほしいからだ。知事選は「札幌決戦で決まる」とはよく云ったものだ。歴代知事たちよ、この推論は違うだろうか?少なくとも〝完璧にハズレ〟ではないはずだ。

極論を言えば、道立近代美術館も、道立病院も、道民活動センター「かでる」も、そして道立高校であっても、札幌市内にはいらない。札幌だけが利便性に富み、地方はますます格差が広がるばかりだ。すべて地方へ移設。札幌市内にある道立高校は、速やかに札幌市へ移管し「市立高校」にする。そして、すべて移設、移管を終えた最終段階で、北海道庁を札幌からどこかの地方都市に移転する。あるいは一から新しい〝道都〟を創建しても、世紀の大事業になる。

どの角度から札幌市を眺めても、札幌市は北海道の中で別格だ。道内178市町村に共通する〝悩ましい問題〟を共有しない。つまり、地方の痛みは解からない、まさに〝陸の孤島〟に見えるのだ。極論ながら首長がいなくても、民活でマチが動き出す。地方都市の首長から見れば、羨ましい限りだ。地方は人口減少でもがき苦しんでいる。

このように、北海道には、取って付けたように巨大都市・札幌市が存在する。リトルトーキョーという没個性のことばに、妙に納得してしまう。筆者の論に異論が多いだろうことは百も承知だ。しかし、現札幌市民は地方出身者がことのほか多い。ふるさとを思い遣る気持ちで地方をもっと具体的に応援してもいいはず。札幌には道内各地の「ふるさと会」があるのだが、札幌市長は飛び込みで参加したことがあるのだろうか? ふるさとの疲弊を嘆く現札幌市民の生の声を聞くことができるのに。

唯我独尊を地で行く札幌市。札幌市が道内179市町村のボスになれない理由はここにある。―第2弾に続く―

投稿者について

山田 勝芳

山田 勝芳

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留萌市生まれ(1952年)の札幌育ち。地元出版業界にどっかり根を下ろすこと40年。外に対しては「本州資本に対抗する視点、脱・植民地の視点」、内に対しては「真に豊かな北海道共同体づくり」という理念の下、実体験に基づく北海道論を展開。現在、月刊ISMとイーハトーヴを主宰。

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