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儲からなければ持続しない


企業社会は儲からなければ社員も増やせないし、新しい投資も生まれない。赤字続きで万策尽きれば倒産、廃業である。農業だって同じだ。

儲からないと後継者も育たず、やがて農業者自身も高齢となり離農を余儀なくされる。儲からなければ将来の夢なぞ描きようもない。儲かることが唯一、持続への道。

しかし、国や道の農政でどんな処方をしても離農を食い止められなかったという、厳然たる事実がある。つまり、儲かる農業にできなかった。うだつのあがらない親の営農を見て、後継者たる息子たちは後を継ごうとは到底考えなかったのである。かくして離農へ。

前稿(農産物規格は不条理なり)で流通の仕組みを改革する必要性を説いたが、農家収入が伸びない原因は他にもある。自給率200%を誇らしげに語るが、本州へ素材のまま、あるいは原料としてそのまま本州資本の道内工場へ供給する体制になっていないか。これでは元の木阿弥、搾取されるだけで儲かる仕組みにはならない。道内資本による製造手段(農業の六次化)を持たなければならない。そして、利益が原料を供出した生産者にも配分される“北海道方式の仕組み”を考案していかなくてはならない。

儲からない農業の原因はまだある。農協の組織そのものだ。農協を離脱し、他所から資材を購入するようになった農業生産法人の関係者は証言する。「農協から買わされるものは他よりもむしろ高い」という。しかし、組合員は農協の金融を利用しているから「農協利用」に縛られる。「これでは儲かる農業には絶対にならない」と断じる。

普通に考えれば、独占的に、安定的に、しかも大量販売できる分他よりも安く提供できるはずだが、現在の農協の仕組みはそうとはなっていない。利益を多大に取り過ぎる農業組織、これでは誰のための農業組織か。いつからそういう体制になっていったのか。農協設立の原点をどこに置き忘れてしまったのか。ここに改革のメスを入れなければならない。

今、中央会組織のあり方が議論されているがすべて一から始める覚悟が必要である。ことばは悪いが、農業者は労役だけが求められる、終戦時のような小作人であってはならない。儲かる営農ができる、自立した農業者でなければならない。身内からむしり取ってどうする!

投稿者について

山田 勝芳

山田 勝芳

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留萌市生まれ(1952年)の札幌育ち。地元出版業界にどっかり根を下ろすこと40年。外に対しては「本州資本に対抗する視点、脱・植民地の視点」、内に対しては「真に豊かな北海道共同体づくり」という理念の下、実体験に基づく北海道論を展開。現在、月刊ISMとイーハトーヴを主宰。

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